長岡技術科学大学との共同研究成果のご報告 ~片頭痛に対するラスミジタン処方パターンの検討~
当社と勝木 将人先生(長岡技術科学大学 体育・保健センター 准教授)との間において実施中のメディカルビッグデータREZULTを活用した共同研究の成果について、下記の通り論文が掲載されました。
■論文タイトル
Time-series clustering analysis for treatment pattern of lasmiditan for 2 years from the initial prescription
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■著者
勝木将人1,2、山田雄矢3、市原泰介3、松森保彦4
1.ダブリンシティ大学
2.長岡技術科学大学
3.日本システム技術株式会社
4.仙台頭痛脳神経クリニック
■掲載先:
Therapeutic Advances in Neurological Disorders
■研究概要
片頭痛は社会生活に大きな負担をもたらす代表的疾患で、日本人の8.4%が罹患しています。発作時の急性期治療薬としては従来、痛み止めやトリプタンが用いられてきましたが、2022年4月から新しいタイプの急性期治療薬であるラスミジタン(レイボー®)が使用可能になりました。私たちは、日本でのラスミジタンの使用状況を初回処方から2年間、全国規模の保険請求データベースREZULTを用いて追跡しました。約2万1,000名の処方患者を追跡したところ、52%が早期中止、35%が漸減使用、13%が継続使用 という3つのパターンが明らかになりました。
■勝木将人先生よりコメント
新薬は「効くかどうか」だけでなく、「実際の診療でどう使われているか」を知ることが大切です。本研究は、日本におけるラスミジタンの2年間の実態を可視化し、過不足のない処方と適切な併用を考えるための土台を示しました。今後、この知見が患者さん一人ひとりに合った治療設計に役立つことが期待されます。
■勝木将人先生との過去の実績はこちら
・第51回日本頭痛学会総会にて発表済みの、メディカルビッグデータ「REZULT」を活用した研究成果が日本頭痛学会 喜多村賞を受賞しました – JAST Lab
・薬物乱用頭痛のエビデンスデータの可視化と疾患予測モデルの開発に成功 – JAST Lab