共同研究

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新型コロナウイルス発生による労働生産性の検証


[東京大学]
五十嵐 中 研究室

共同研究の背景

新型コロナウイルスは現在もなお世界中で猛威を振るい、人々の生活や社会へ大きな打撃を与えています。特に、医療逼迫や緊急事態宣言等による生産性損失の問題は日々議論されております。
当社はこのような情勢に有益な情報を提供するために、東京大学 五十嵐 中 先生と共同研究を開始いたしました。

研究の詳細

当社が保有するレセプトデータを解析し、新型コロナウイルス発生から現在に至るまでの入院率や重症化率(Long COVID含む)、変異株による影響などについて分析を実施します。
またwithコロナ時代へ向けて、今まで具体的に可視化されてこなかった新型コロナウイルス患者と労働生産性の関係を、実際の患者の容体や病状推移をもとに金額ベースで数値化します。この結果を政府へと連携し、経済の観点においてより効果的な施策へと繋げます。

引用:The 10th Asian Congress of Pediatric Infectious Diseases, Seoul, 27 OCT 2022

分析の結果、濃厚接触者の隔離など非コロナ患者を含む労働生産性の損失が、コロナウイルス患者の医療費よりも高く出ています。損失額を考えるうえでは生産性にも注目することが重要です。

引用:The 10th Asian Congress of Pediatric Infectious Diseases, Seoul, 27 OCT 2022

現状の医療費および生産性損失に対して、ワクチン接種がどの程度のコスト削減に結びついているかを数値化しました。ワクチン接種が進むことで、さらに大きなコスト削減効果が見込めることを示しています。

研究成果

2022年6月7日に開催された「製薬協メディアフォーラム」にて、共同研究成果を交えた情報展開を実施しました。

2022年10月26日に開催された「The 10th Asian Congress of Pediatric Infectious Diseases」にて、共同研究成果を発表しました。

今後について

医療現場や各種保険者様が抱える課題の解決へ向けて、当社が保有する医療ビッグデータを利用した医療DXを推進・実施いたします。当社データの価値を高め、お客様の課題を解決するための可能性を広げるべく、今後も引き続き本研究における分析を進めてまいります。
さらに、当社の医療・保健事業への成果反映も検討し、各種保険事業における研究成果の実用化に向けた取り組みも実施してまいります。


五十嵐 中 -Ataru Igarashi-

東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学 客員准教授
公立大学法人横浜市立大学 医学群(健康社会医学ユニット)准教授

2002年 東京大学薬学部薬学科卒業
2008年 東京大学大学院薬学系研究科博士後期課程修了
専門は薬剤経済学。医療経済ガイドラインの作成・個別の医療技術の費用対効果評価・QOL評価指標の構築など、 多方面から意思決定の助けとなるデータの構築を行ってきた。

COVID-19の疾患像は、変異を繰り返すごとに大きく変化していきます。そのため、疾病費用を正しく捕捉し、将来に向けた戦略を練るためには、できる限り最新のデータを取得しつつ、経時的な更新を行うことが重要です。迅速に更新がなされるJASTのレセプトデータは、「いま」の疾病費用を明らかにするための情報を随時入手・解析していくために不可欠なツールと言えます。 ー 五十嵐 中 先生

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