共同研究
新型コロナウイルスにおける重症化予測モデル開発
[理化学研究所 / 慶應義塾大学]
星野 崇宏 研究室
共同研究の背景
本研究を開始した当時(2020年11 月)、COVID-19 によって症状が重症化する患者は、初期段階では普通の風邪のような症状から始まっており、その段階では重症化するかどうかの区別が難しいというのが現状でした。
ICU の利用や人工呼吸器などの適切な治療を促進するうえで、早期段階での重症化予測が重要な課題となっていた状況に貢献するため、慶應義塾大学および理化学研究所との共同研究を開始いたしました。
研究の詳細
当社が保有する診療報酬データ(レセプトデータ)には、病院等で診断がなされた内容や施された処置等の情報が含まれます。
本研究ではレセプトデータから取れる基本的なパーソナルデータ(性別・年代)に加え、病歴やCCIスコア(チャールソン併存疾患指数:慢性疾患の罹患数から算出されるスコア)からコロナ患者(またはコロナを罹患した際の)重症化リスクを予測しています。
研究結果として、「年齢が高いと重症化しやすい」「糖尿病に罹患していると重症化しやすい」等、報道で見ることの多い傾向に加え、「特定の慢性疾患の組み合わせ」や「健康リスクを抱えていて直近数か月で病院に一度も行かない」という人が重症化リスク増加に繋がるという新規性の高い考察も得られました。
本研究について、2021年11月27日(土)~11月28日(日)に開催されました、「日本計算機統計学会第35回シンポジウム」および「第26回日本薬剤疫学会学術総会」にて発表いたしました。
また、2022年度に論文誌での発表を予定しております。
なおこの研究は、
慶應義塾大学 経済研究所所長・理化学研究所AIPセンターチームリーダー 星野崇宏教授
慶應義塾大学 薬学部 漆原尚巳教授
との共同研究です。
関連外部リンク
- 慶應義塾大学および理化学研究所との新型コロナウイルスに関する共同研究開始のお知らせ
- 慶應義塾大学および理化学研究所との新型コロナウイルスに関する共同研究の中間報告について
- 慶應義塾大学および理化学研究所との共同研究結果学会発表のお知らせ
慶應義塾大学 -Keio University-
1920年に設置され、10学部を有する日本最初の私立大学。
実学の精神である、「実証に基づく理論的、合理的な科学」や「自我作古」の精神等から、
伝統的な学術研究に加え、医療、産官学連携や知財活動等を通じた研究までを行っている。
理化学研究所 -RIKEN-
日本で唯一の自然科学の総合研究所。
物理学、工学、化学、数理・情報科学、計算科学、生物学、医科学などに及ぶ
広い分野で研究で行っている。
研究成果を社会に普及させるため、大学や企業との連携による共同研究、受託研究等を実施しているほか、知的財産等の産業界への技術移転を積極的に進めている。
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