糸魚川総合病院 勝木先生 と実施している共同研究の分析成果が、『Cephalalgia』および『Life』に掲載されました
当社と勝木 将人先生(糸魚川総合病院、諏訪赤十字病院 脳神経外科・頭痛外来)との間において実施中の「片頭痛と、片頭痛医薬品および薬物乱用頭痛の関連性」に関する共同研究成果の一部として、「日本の成人頭痛患者に対する処方パターンの検討」が、国際頭痛学会学術雑誌『Cephalalgia』(インパクトファクター6.1)に掲載されました。また「日本における6-17歳の頭痛患者に対する処方パターンの検討」が、医学雑誌『Life』(インパクトファクター3.2)に掲載されました。
■ 日本の成人頭痛患者に対する処方パターンの検討
題名 :Treatment patterns and characteristics of headache in patients in Japan: A retrospective cross-sectional and longitudinal analysis of health insurance claims data
著者 :Masahito Katsuki, Yasuhiko Matsumori, Taisuke Ichihara, Yuya Yamada, Shin Kawamura, Kenta Kashiwagi, Akihito Koh, Tetsuya Goto, Kazuma Kaneko, Naomichi Wada, Fuminori Yamagishi
掲載雑誌:Cephalalgia ( https://journals.sagepub.com/home/cep )
掲載日 :2024年1月9日
DOI :https://doi.org/10.1177/03331024231226177
研究内容:
本研究では、レセプトで頭痛(R51およびG44)と病名が付与されている成人患者に対する処方パターンについて、横断的研究と、経時的変化を観察した縦断的研究の2つを行いました。医原性薬物乱用頭痛が否定できない処方(以下過剰処方)はトリプタンと複合鎮痛薬(30錠/90日以上)、鎮痛薬単剤(45錠/90日以上)としました。
横断的研究では、2020年のレセプトデータ(※)から、急性期治療薬の処方粒数が最大となる90日間を抽出し、過剰処方の割合を検討しました。急性期治療薬が処方されていた患者13,651患者のうち、単剤の鎮痛薬は12,297例(90.1%)に、トリプタンは1,710例(12.5%)に処方されており、全体の2,262例(16.6%)に過剰処方が認められました。1,200例(6.0%)は頭痛の予防治療薬が処方されていました。
縦断的研究では、2010年から2022年までのレセプトデータを用いて、初診時から2年間の処方パターンを追跡しました。頭痛初診から2年間追跡できた408,183患者のうち、2年間で過剰処方を1度でも経験した患者は37,617例(9.2%)でした。29,313例(7.2%)は2年間で予防治療薬の処方を経験していました。若年であること、初診から90日間に多くの急性期治療薬が出されていること、予防治療が早期に開始されていることが、2年間で過剰処方に陥りやすい危険因子であることがわかりました。
■ 日本における6-17歳の頭痛患者に対する処方パターンの検討
題名 :Treatment patterns for and characteristics of headache in children and adolescents aged 6-17 years in Japan: A retrospective cross-sectional and longitudinal analysis of health insurance claims data
著者 :Masahito Katsuki, Yasuhiko Matsumori, Taisuke Ichihara, Yuya Yamada, Shin Kawamura, Kenta Kashiwagi, Akihito Koh, Tetsuya Goto, Kazuma Kaneko, Naomichi Wada, Fuminori Yamagishi
掲載雑誌:Life ( https://www.mdpi.com/journal/life )
掲載日 :2024年1月8日
DOI :https://doi.org/10.3390/life14010096
研究内容:
上記と同様の研究を、6-17歳の患者に対して行いました。横断的研究では、2020年のレセプトデータから、急性期治療薬の処方粒数が最大となる90日間を抽出し、トリプタンの過剰処方の割合を検討しました。急性期治療薬が処方されていた患者1,524患者のうち、トリプタンは96例(6.3%)に処方されており、そのうち11例(11.5%)に過剰処方が認められました。93例(6.1%)は頭痛の予防治療薬が処方されていました。
縦断的研究では、2010年から2022年までのレセプトデータを用いて、初診時から2年間の処方パターンを追跡しました。頭痛初診から2年間追跡できた80,756患者のうち、2年間でトリプタン過剰処方を1度でも経験した患者は44例(0.05%)でした。3,408例(4.2%)は2年間で予防治療薬の処方を経験していました。
・本件のリリースおよび発表内容の詳細について
ir_notice20240117.pdf (jast.jp)
・糸魚川総合病院 勝木先生との共同研究の詳細について
共同研究 – 糸魚川総合病院 – JAST Lab