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各種発表

宇都宮市・芳賀町との連携協定に基づきLRT整備の社会的インパクトを医療ビッグデータで可視化~医療費を切り口とした新たなEBPM評価モデルを実証~

 日本システム技術株式会社(以下、JAST)は、宇都宮市および芳賀町(いずれも栃木県)と連携協定を締結し、新交通システムである「LRT:ライト・レール・トランジット(※1)」の整備効果について、医療ビッグデータを活用した検証を実施いたしました。
 本取り組みでは、JASTが保有する医療ビッグデータ基盤「REZULT(※2)」と、大阪公立大学と連携し研究開発した「インパクト評価モデル(※3)」を活用し、公共交通の整備が住民の健康行動や医療費に与える影響の定量評価を行いました。

■背景/課題
 これまで、公共交通やまちづくり施策の効果は、利用者アンケートや利用実績等といった定性データを活用し評価されることが多く、住民の健康行動や医療費などへの影響を定量的に把握することは容易ではありませんでした。そのため、施策の効果を医療費や受診行動等のリアルワールドデータに基づいて客観的かつ定量的に検証・説明・可視化する仕組みの確立が求められていました。

■取り組み概要
 本検証では、LRT開業前後の医療データを活用し、医療費、通院行動および生活習慣病に関する変化について、反実仮想分析の考えを取り入れ、分析を実施しました。

■主な知見と意義
 医療費増加傾向の抑制や通院あたり医療費の変化など、公共交通整備と健康行動の関連性を示唆する結果が確認されました。一方で、分析期間中には宇都宮駅周辺における医療提供体制の変化など、結果に影響を与える可能性のある要因も多数存在していたことから、観測された変化を全てLRT整備の効果に帰属させることは現時点では困難であることも確認されました。しかしながら、本取り組みを通じて、従来は定量的な把握が難しかった都市施策の健康・医療インパクトを、医療ビッグデータと反実仮想分析を用いて評価する新たなアプローチを実証できたことは大きな成果であり、今後の「EBPM:Evidence-Based Policy Making(※4)」の推進に資するものと考えています。

■今後の展開
 JASTは、今後も本評価モデルの高度化および分析精度の向上を図るとともに、自治体におけるEBPM推進支援や健康施策・交通施策・まちづくり施策の効果検証への展開を進めてまいります。また、医療ビッグデータを活用した社会的インパクト評価を通じて、持続可能な地域づくりへの貢献を目指してまいります。

※1「LRT:ライト・レール・トランジット」について
 路面電車の利便性と鉄道の定時性・輸送力を兼ね備えた公共交通システムです。鉄道のように大規模な建設費を必要とせず、バスよりも高い輸送力と定時性を確保できることから、持続可能な都市交通の基幹インフラとして注目されています。また、低床車両の導入によるバリアフリー化や、自動車依存の低減、沿線のまちづくりや地域活性化への貢献など、多面的な効果が期待されています。

※2「REZULT」について
 業界最大級の医療ビッグデータベースであり、DPC(急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度) 含む医科、調剤レセプトデータ(健康保険組合等から二次利用許諾を得た匿名化レセプトデータ)で構成されています。性別、年代、医療機関エリアといった属性情報をベースに患者数、医療費などの集計が可能なデータであり、効果検証や各種研究、マーケティング等に長けたデータです。

※3「インパクト評価モデル」について
 実行した施策・政策に対して、その施策が実際に行われなかった場合の医療費を推計し、「REZULT」から算出可能な実際の医療費との差分から施策による効果を定量的に評価するモデルとなります。

※4「EBPM:Evidence-Based Policy Making」について
 データや科学的根拠(エビデンス)に基づいて政策の企画・実施・評価を行う考え方です。経験や勘だけに依存するのではなく、統計データや調査結果等を活用して政策効果を客観的に検証し、その結果を次の施策改善や意思決定に活かすことで、より効果的かつ効率的な行政運営を実現することを目的としています。

【本件に関するお問い合わせ先】
日本システム技術株式会社  
ヘルスケアイノベーション事業部 未来共創Lab
担当:荒井
TEL:03-6718-2785
Mail:JAST-Lab@jast.co.jp 
URL:https://www.jastlab.jast.jp/